引きこもりの若者について

なぜこれほど多くの若者が”引きこもり”になっているのか?

本人が成育環境の中で抱えている様々な問題に対して、そのひとつの対処方法として自宅に引きこもるという選択があります。そのため、時には、本人が課題を消化し次のステップへと成長していくために必要な時期にもなりうることがありますが、
本人の意思と反して「このままじゃいけない」「今変わらなければ」という気持ちのまま引きこもり状態が長期化してしまって自立の時期を逃してしまったり、また、本人含めて家族も貧困状態へ陥る可能性も懸念されます。
また、広い視点で考えると、“引きこもり” は本人と家族だけの努力の問題ではなく、日本 の社会構造の変化や、判断がつきにくい障害や 疾病、現行の福祉・教育制度の課題など、現在 の日本社会の在り方そのものが生み出している 社会問題と捉えられます。
日本社会全体としてみると、 労働人口が減少して納税額も減り、一方で社会保障費の増加が問題となり、さらには犯罪率・ 自殺率の増加につながります。

キドックスがしていること

キドックスは、日本の現在の福祉制度の枠には入れない(=行政の支援が行き届いていない)10代〜30代程度の若者を対象にしています(障害者手帳を発行できない、医師の診断がつかない、原因がわからない、など、どの支援機関を頼れば良いかわからないグレーゾーンの若者)。
そのような引きこもり状態の若者を生み出す社会に対して、「予防法」と「対症法」の両方の観点から、主に以下2つの活動をしています。

1、子どもたちに学びと気付きの機会をつくる(予防法)

自己肯定感を育む・働くことやキャリアについて考える・生き方について考える、などの学びや気づきの機会を与える教育プログラムを子どもや学生達に提供しています。

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2、引きこもり状態にある若者に、社会へ一歩踏み出す機会をつくる(対症法)

引きこもり状態にある若者に、以下の3つの機会を提供しています。

・若者たちが本人の段階に合わせたステップを踏める機会

「カウンセリングや相談会には参加しているけれど、就労や進学まではまだ難しいと感じています。」キドックスにはそのような相談者がとても多く訪れます。目標は、小さすぎても大きすぎても、本人の意欲が低下してしまいます。本人の状況に合わせた目標を設定して成長していける機会をつくっています。
また、必要に応じて、別の専門機関への紹介も行っています。

・経験を積んで学び成長する機会

引きこもりの今の本人の姿やそこに至った原因よりも、”これまで学ぶ機会がなかっただけで本来は大きな可能性を持っている存在である”ということを大切にし、経験を通じて本人が成長し、個性を発見して伸ばせるようにしています。

・環境の変化にも対応する基礎力をつける機会

キドックスに通う若者達は、仮に仕事を辞めてもまた自分の力で仕事を探したり、仕事で悩みがあっても自分の力で解決したり周囲に相談したりできる、環境の変化にも対応して生きて行く力をつけています。この力こそが”長期的な意味での自立”へ繋がると考えています。

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